討論塾について
討論塾は、「討論なしには民主主義はあり得ない」という信念のもと、新しい言論空間を構築するために、思想・主張・立場などを異にする多様な人々が、<討論>を通じて互に学び合える<交差点>としての学習の場を提供することを目指します。
いま、日本の社会からは、討論、論争、対話がすっかり姿を消してしまっています。政治の世界や言論界などでは、一方的な意見や主張がなされるだけで、真摯で生産的な対話がなされることはありません。internet上の空間を見ていても、主張の異なる人々が一方的に言葉を投げつけ合っているだけで、相互に言葉が交錯することはありません。学問や思想の世界では、専門家たちの閉鎖的な営みがなされているだけで、論争による相互検証が為されることはほとんどなくなりました。他方において、「忖度」、「KY」という言葉に見られるとおり、察しや馴れ合い(日本文化独特な集団同調主義です。)による組織や集団のあり方が蔓延しています。こうした状況が私たちの社会を閉塞した袋小路に落とし入れ、本来は言論自由によって促進されるはずの民主主義の発展を妨げてしまっているのです。
塾の特徴
討論塾では、さまざまな内容を取り上げます。討論会では、問題を提起し、それをもとに自由に発言、討論、一定の合意を目指します。そして録音・記録した討論会を再討論し考えを深めます。討論塾の参加者の年齢、職業、性別、国籍などは様々です。
学習
現代に生きる人としてぶつかっているあらゆる問題を討論を通じて徹底的に明らかにしていきます。そのような営みを通じて日本人が苦手な討論の態度・方法も学習しています。
討論
より確からしい合意に一歩でも近づくために、真理性を基準にして徹底的に討論します。
合意
合意に近づくためには異論が必要です。ですから、参加者の思想・主義・立場など全く問いません。様々な異論をぶつけ合うことを通して、一定の合意を目指します。
自由
研究会ではありません。ある問題について専門家でも素人でも自由に発言できます。特に専門家は素人がわかるまで説明しなければなりません。
記録
討論会はすべて録音し記録します。その記録をみながら再び討論し考えを深めます。
問題提起
希望者が問題提起をして、それをもとに討論します。問題提起にあたってはさまざまな内容を取り上げます。
討論会スケジュール
討論塾では、現在、原則として毎月、都内で討論会を行っています。お気軽にご参加ください。詳しくは事務局までお問い合わせください。
今後の開催予定
「討論に関わる入門セミナー」
日時:1名でも希望者がいて、日時の都合がつけば対応いたします。お気軽にご連絡ください。
参加費:無料
会場:Zoomを使用したオンライン
最近の討論会
討論塾では、問題提起にあたってはさまざまな内容を取り上げます。希望者が問題を提起し、それをもとに討論します。最近、開催した討論会は下記からご覧ください。
2024年7月21日開催
「塾報批判会(過去の討論内容の批判会)」
2024年5月19日開催
「塾報批判会(過去の討論内容の批判会)」
2024年3月24日開催
「塾報批判会(過去の討論内容の批判会)」
創設者・塾員
討論塾は、竹内 芳郎(1924-2016・著作多数)が1989年に創設しました。
1924年~2016年。サルトルやメルロ=ポンティを日本に紹介する。マルクス主義を自らの視点で再構築し、さらにその思想の射程は文化論から記号学、言語論、普遍宗教論にまで及ぶ。日本の欺瞞的社会様式を「天皇教」と捉え、晩年にいたるまで鋭く批判した。
討論塾創設期より参加しています。私のとっての討論とは自己学習そのものです。自分とは異なる他者と言葉を交わすことにより、自分の考え方にある曖昧さや固定観念に気づくことができます。
元々はトロンボーン奏者で、現在は古楽に特化した演奏活動と日本語教師の二足の草鞋で活動中。
日本語教師になる過程で討論会の存在を知り、新たに拡がる世界へ挑戦中。
2006年より、討論塾に参加。学生時代からサルトル、竹内芳郎を愛読。卒業後、反原発運動、労働運動、教育研究運動にかかわり高生研(高校生活指導研究協議会)第53回全国大会基調「生きづらさをかかえた生徒から学校を見直す」を共同で執筆・発題。編著『市民性を育てる生活指導・進路指導』。
2021年より討論塾に参加しています。それまで公の場での討論というものに馴染みがなく、討論の仕方を学びたいと思い参加させていただきました。
初めは拝聴するだけでしたが、少しづつ討論に参加できるようになりました。毎回学生に戻ったような気分で、有意義な時間を過ごしています。
塾員
会社員
栄井 裕之
40年前に、株式会社乃村工藝社にて海外、国内を7回転勤。国際結婚した事もあり、様々な文化・価値観に遭遇しました。討論を聞きたくて参加させて頂いております。中々仕事でリアルには参加できない状況ですが、よろしくお願い致します。
塾員
会社員
鈴木 一郎
1991年から討論塾に参加しています。さまざまな人たちとの対話を通じて、自分の考え方を客観視し、検証してゆくところに討論の醍醐味や面白さがあります。長く討論を続けることによって、自分自身の視野が大きく広がり、判断力も確実に身についてきていることを実感しています。これからも多様な方々との出会いを通して対話を続けてゆきたいと思っています。
塾員募集
討論塾では常時、新塾員を募集中です。
塾員となりますと、毎回の討論会の記録が継続に受け取ることができ、討論の継続性が把握できます。また、塾員は、優先的に自分の興味関心等を提起することができます(日常的・身近な問題で構いません)。討論を通じて自身の問題を深めることが可能です。現在の年会費は3000円(デジタルの塾報希望者は2400円)です。詳しくは事務局までお問い合わせください。
お問い合わせは >> こちら
参考文献・資料
討論の理念、過去の討論塾の記録など、討論塾に関して、まとめてあります。ぜひお読みになり、ご参加ください。
竹内芳郎著 三元社
竹内芳郎著 閏月社
討論塾入門者向けの問答集を掲載しています。
新刊:『竹内芳郎 その思想と時代』 出版社:閏月社 監修、編集:鈴木 道彦 (監修), 海老坂 武 (監修), 池上 聡一 (編集)
ご購入希望の方は、直接出版社にお問い合わせください。